【緊急】潤滑油が届かない!リユースで生産ライン維持する選択肢
「工業用潤滑油の受注を停止します」――2026年4月、この通知を受け取った製造業の現場は、いま深刻な危機に直面しています。
ホルムズ海峡の封鎖により、日本の潤滑油供給は事実上ストップ。ENEOSやコスモ石油など大手メーカーも一部製品の出荷停止に踏み切り、「工場が止まる」という悪夢が現実になろうとしています。
じつは、こうした緊急事態でも使用済み潤滑油の再利用(浄油サービス)を導入することで、操業を継続できる選択肢があるんです。
ろ過フィルターを使って夾雑物や水分を除去し、使用済み油を代替油として再利用する――この方法なら、新規調達が困難な今でも、コストを抑えながら生産ラインを守ることができます。
本記事では、製造業の工場管理者・設備保全担当者の方々に向けて、潤滑油再利用の仕組み、導入メリット、そして「国内産業を止めない」ための具体的な選択肢を詳しく解説します。
いま必要なのは、新しい潤滑油を待つことではなく、手元にある資源を最大限活かす道なのかもしれません。
目次
1. なぜいま潤滑油の再利用が注目されているのか?
2026年4月現在、製造業の現場ではかつてない深刻な事態が進行しています。
工業用潤滑油が手に入らない――この危機的状況が、「潤滑油の再利用」という選択肢を急速に現実的なものにしています。
1-1. ホルムズ海峡封鎖がもたらした「第三次オイルショック」
2026年2月以降、中東情勢の悪化によりホルムズ海峡が事実上封鎖され、日本への原油・石油製品の供給ルートが断たれました。
資源エネルギー庁の資料によれば、日本の原油輸入における中東依存度は94.0%、ホルムズ依存度は93.0%に達しています。この海峡が使えなくなることは、日本の石油供給のほぼ全てが止まることを意味します。
工業用潤滑油の原料となるベースオイルの多くも、ペルシャ湾岸から輸入されています。そのため潤滑油業界は「第三次オイルショック」とも呼べる深刻な供給危機に直面しているわけです。
石油化学製品の値上げラッシュも始まっていて、日本ペイントのシンナー製品は75%もの値上げを実施。潤滑油も例外ではなく、価格高騰と供給不足のダブルパンチが製造業を襲っています。
1-2. 大手メーカーの出荷停止で工場が直面する現実
ENEOSやコスモ石油など、日本を代表する潤滑油メーカーが2026年4月時点で工業用潤滑油の受注・出荷停止を実施しました。
具体的には、以下のような製品が欠品状態に:
- スーパーハイランド32、46(油圧作動油)
- ディーゼルDH2 CF4 10W-30、15W-40(エンジンオイル)
- 各種ギア油、プレス油、切削油、熱処理油
SNSやThreadsでは、「工業用潤滑油の受注・出荷停止のお知らせが来た。このままでは工場が機械を動かせなくなり製品の生産ラインが止まってしまう」という悲痛な声が広がっています。
JR東日本も、グリース(潤滑剤)の在庫積み増しを検討していると発表しており、日本経済を支える基幹インフラでさえも危機感を抱いているのが現状です。
1-3. 代替策としての「潤滑油再利用」という選択肢
こうした状況下で急速に注目を集めているのが、使用済み潤滑油の再利用(浄油サービス)です。
新しい潤滑油が手に入らないなら、いま工場で使っている潤滑油を「きれいにして使い続ける」――この発想の転換が、操業継続のカギを握っています。
潤滑油の再利用技術は決して目新しいものではありません。大手製造業では以前から、ギア油やプレス油などの工業用潤滑油を預かり、再生処理して戻すサービスが利用されてきました。
でも今回のような供給危機では、単なるコスト削減策ではなく、「工場を止めない」ための必須の選択肢として、その価値が再評価されています。
潤滑油リサイクル市場も拡大していて、2026年から2033年までの予測では年平均成長率(CAGR)が9.8%と見込まれています。持続可能性への関心だけでなく、供給不安という現実的な要因が市場を後押ししているようです。
2. 潤滑油の再利用(浄油サービス)とは?基本の仕組み
潤滑油の再利用と聞くと、「本当に安全なのか?」「品質は大丈夫なのか?」と不安に思う方もいるでしょう。
ここでは、浄油サービスの技術的な仕組みを分かりやすく解説します。
2-1. ろ過フィルターで夾雑物と水分を除去する技術
浄油サービスの核となるのが、高精度ろ過フィルターによる夾雑物(ゴミ)と水分の除去です。
工場で使用された潤滑油には、以下のような異物が混入しています:
- 金属粉:機械の摩耗により発生する微細な鉄粉など
- ダスト・ほこり:作業環境から混入する固形物
- 酸化物・スラッジ:油の劣化により生成される沈殿物
- 水分:結露や冷却水の混入による水分
これらの不純物が潤滑油中に存在すると、機械の摩耗を促進し、油圧系統の不具合や制御系のトラブルを引き起こします。
ろ過装置は、これらの不純物を3〜10ミクロン(μm)レベルの高精度で捕捉し、清浄度を大幅に改善します。同時に、油中の水分も分離・除去することで、潤滑性能を維持できます。
重要なのは、ろ過によって「不純物を取り除く」ことで、潤滑油本来の性能を回復させている点です。添加剤や基油そのものは変わらないため、適切にろ過された油は新油に近い清浄度を保つことができます。
2-2. トリプルアールのろ過フィルターの性能と特徴
浄油サービスで広く採用されているのが、トリプルアール社の高精度ろ過フィルターです。
トリプルアールのエレメントは、β3=929という高い濾過性能評価数値(ISO4572基準)を誇ります。このβ値が高いほど、微細な粒子を確実に捕捉できることを意味しています。
主な特徴は以下のとおりです:
- 超微粒子除去能力:3ミクロン以上の粒子を99.9%以上除去
- 脱水機能:油中の水分を効果的に抽出
- 長寿命設計:高い捕集容量でランニングコスト削減
- 油圧機器特化:油圧作動油の精密ろ過に40年以上の実績
さらに、トリプルアールのオイルクリーナーは、単一のフィルターエレメントで「固形物除去」「水分除去」「酸化抑制」の3機能を実現する点が優れています。
実際に、不二越(NACHI)などの工作機械メーカーも、トリプルアール製の精密オイルクリーナを推奨していて、産業界での信頼性は実証済みです。
2-3. 再利用できる潤滑油・できない潤滑油の見極め方
すべての潤滑油が再利用に適しているわけではありません。見極めのポイントを押さえておきましょう。
再利用に適している潤滑油:
- 油圧作動油(ハイドロリックオイル)
- ギア油(ギアオイル)
- タービン油
- 熱処理油
- プレス油(金属加工油の一部)
再利用が難しい潤滑油:
- エマルション型の水溶性切削油(乳化状態が崩れている場合)
- 極度に酸化が進行した油(酸価が基準値を大幅超過)
- 添加剤が枯渇した油(摩耗防止性能が失われている)
- 異種油が混入した油(性質が大きく変化している)
見極めの基準として、定期的な油質分析が欠かせません。具体的には以下の項目をチェックします:
- 清浄度(パーティクルカウント):ろ過で改善可能
- 水分含有量:ろ過で除去可能
- 酸化度(酸価):ろ過では改善不可
- 動粘度:ろ過では改善不可
- 添加剤濃度:補充が必要な場合あり
つまり、ろ過サービスは「清浄度と水分」という物理的な問題は解決できるが、化学的な劣化(酸化や添加剤枯渇)は改善できないという特性を理解しておく必要があります。
3. 潤滑油再利用で得られる3つの導入メリット
ここからは、浄油サービス導入によって得られる具体的なメリットを見ていきましょう。
コスト削減だけでなく、事業継続性の確保という観点からも大きな価値があります。
3-1. 【メリット①】新規調達コストを30〜50%削減できる
潤滑油の再利用によって、最も直接的に得られるのが調達コストの大幅削減です。
新油を購入する場合と、使用済み油をろ過して再利用する場合のコスト比較を見てみましょう:
新油購入の場合(例:油圧作動油200L)
- 新油購入費:約10万円
- 廃油処理費:約2万円
- 合計:約12万円
浄油サービス利用の場合(同条件)
- ろ過処理費:約4〜6万円
- 廃油処理費:ほぼゼロ(再利用のため)
- 合計:約4〜6万円
この例では、約50〜67%のコスト削減が実現できる計算になります。
さらに、2026年4月現在のような供給不足局面では、新油の価格が高騰しているため、削減効果はさらに大きくなります。石油化学製品全般で値上げラッシュが続いており、潤滑油も例外ではありません。
神奈川県の再生事業者の事例では、鉄鋼・自動車などの大手顧客約20社が、ギア油、プレス油、切削油、熱処理油などを再生処理して利用しており、年間数百万円〜数千万円規模のコスト削減を達成しているケースもあります。
3-2. 【メリット②】供給途絶リスクに備えた事業継続性の確保
コスト削減以上に重要なのが、「工場を止めない」という事業継続性(BCP)の観点です。
2026年4月の潤滑油ショックで明らかになったのは、「新油がいつでも手に入る」という前提が、実は極めて脆弱だったということです。
浄油サービスを導入しておくことで、以下のようなリスクヘッジが可能になります:
- 供給途絶への備え:新油が入手困難でも操業継続できる
- 価格変動の影響軽減:オイルショック時の急激な値上げの影響を緩和
- 在庫の有効活用:手持ちの潤滑油を最大限活用できる
- 納期遅延の回避:メーカー出荷停止の影響を受けにくい
潤滑油は「なくなったら補充するもの」として扱われがちですが、その前提自体が大きな外部条件(地政学リスク、供給網の安定性)に依存しています。
JR東日本が潤滑剤の在庫積み増しを検討しているように、リスク管理の観点から「代替手段の確保」は今や必須の経営判断と言えるでしょう。
3-3. 【メリット③】廃油処理費の削減と環境負荷の低減
潤滑油の再利用は、環境面でも大きなメリットをもたらします。
従来、使用済み潤滑油は産業廃棄物として処理され、以下のようなコストと環境負荷が発生していました:
- 廃油処理費:1リットルあたり約100〜200円
- CO2排出:廃油の焼却・処理により温室効果ガスを排出
- 資源の損失:再利用可能な資源を廃棄
これに対して、浄油サービスでは:
- 廃油処理費がゼロに:再利用するため廃棄が不要
- CO2削減:新油製造に比べてエネルギー消費が大幅に少ない
- 循環型経済への貢献:資源の有効活用とサーキュラーエコノミー推進
経済産業省の「潤滑油産業のカーボンニュートラル推進ガイドライン」でも、潤滑油製品の温室効果ガス削減効果を定量化する取り組みが進められており、再生基油の利用促進が推奨されています。
企業のESG(環境・社会・ガバナンス)対応としても、潤滑油リサイクルの導入は有効な施策と言えます。
4. 浄油サービス導入でどれだけコスト削減できるのか?
「具体的にどのくらいコストが下がるのか?」――これは導入を検討する際の最重要ポイントですよね。
ここでは、実際の数字をもとに試算してみましょう。
4-1. 実際の導入事例:年間○○万円のコスト削減を達成
大手製造業での導入事例をもとに、コスト削減効果を見てみましょう。
【事例①:自動車部品工場(油圧プレス機20台稼働)】
- 使用潤滑油:油圧作動油VG46
- 年間使用量:約10,000L
- 交換頻度:年4回(各2,500L)
従来方式(新油購入+廃油処理):
- 新油購入費:500円/L × 10,000L = 500万円
- 廃油処理費:100円/L × 10,000L = 100万円
- 年間合計:600万円
浄油サービス導入後:
- ろ過処理費:200円/L × 10,000L = 200万円
- 新油補充費(20%):500円/L × 2,000L = 100万円
- 廃油処理費:ほぼゼロ
- 年間合計:300万円
→年間削減額:300万円(50%削減)
この事例では、すべてを再利用するのではなく、80%を再利用し、20%を新油で補充する方式を採用しています。これにより、油質の安定性を保ちながらコスト削減を実現しています。
4-2. ろ過フィルター方式と従来の廃棄・購入方式の比較
ろ過フィルター方式の優位性を、もう少し詳しく比較してみましょう。
比較項目①:コスト構造
- 従来方式:新油購入費+廃油処理費=高コスト
- ろ過方式:ろ過処理費+少量の新油補充=低コスト
比較項目②:供給安定性
- 従来方式:メーカー供給に完全依存(供給途絶リスク大)
- ろ過方式:手持ち油を活用(供給途絶リスク小)
比較項目③:環境負荷
- 従来方式:廃油焼却によるCO2排出
- ろ過方式:再利用による資源循環
比較項目④:作業負荷
- 従来方式:抜き取り→廃棄→新油注入(手間大)
- ろ過方式:循環ろ過(機械稼働中も可能)
特に注目すべきは、オフラインろ過装置を使用する場合、機械を停止せずに稼働しながらろ過できる点です。これにより、生産性を落とさずに油質改善ができます。
4-3. 投資回収期間はどのくらい?初期費用とランニングコスト
浄油サービス導入には初期投資が必要ですが、その回収期間はどのくらいでしょうか?
導入パターン①:自社でろ過装置を導入する場合
- 初期投資:ろ過装置購入費 約150〜300万円
- ランニングコスト:フィルター交換費 年間約30〜50万円
- 年間削減額:前述の例で約300万円
- 投資回収期間:約6ヶ月〜1年
導入パターン②:外部の浄油サービスを利用する場合
- 初期投資:ほぼゼロ(サービス契約のみ)
- サービス利用費:従量課金制(200〜300円/L程度)
- 年間削減額:新油購入費との差額
- 投資回収期間:即時(初期投資不要のため)
多くの中小製造業では、初期投資を抑えられる外部サービス利用から始めるのが現実的です。
また、2026年4月現在のような供給危機局面では、「コスト削減」よりも「操業継続」という観点での投資価値の方が大きいかもしれません。工場が止まることによる損失(逸失利益)を考えれば、浄油サービスへの投資は十分にペイします。
5. 潤滑油再利用の限界と注意点を理解しておこう
浄油サービスは非常に有効な手段ですが、万能ではありません。
技術的な限界と注意点を正しく理解しておくことが、安全な導入につながります。
5-1. 酸化度や動粘度の改善はできない理由
ろ過フィルターによる浄油サービスでできることは、物理的な不純物の除去です。
一方で、化学的な劣化の改善はできないという限界があります。
具体的には以下の項目は改善できません:
①酸化度(酸価)
潤滑油は使用中に空気や熱にさらされて酸化し、酸性物質が生成されます。これは化学反応によるものなので、ろ過では除去できません。酸化が進むと、腐食性が増し、機械部品にダメージを与えるリスクが高まります。
②動粘度
潤滑油の粘度は、温度や酸化により変化します。特に高温環境では粘度が低下し、潤滑性能が落ちることがあります。これもろ過では回復できない性質です。
③添加剤の枯渇
潤滑油には、摩耗防止剤、酸化防止剤、防錆剤などの添加剤が含まれています。使用中にこれらが消耗・分解すると、ろ過だけでは補充できません。
このため、ろ過サービスは「清浄度と水分の管理」に特化した技術であり、全面的な油質回復ではないことを理解しておく必要があります。
5-2. 定期的な油質分析が必要な理由
浄油サービスを安全に継続するには、定期的な油質分析(オイル診断)が欠かせません。
分析すべき主な項目:
- 清浄度(ISO 4406コード):ろ過効果の確認
- 水分含有量:脱水効果の確認
- 酸価(AN):酸化進行度の監視
- 動粘度:粘度変化の把握
- 添加剤濃度:性能維持の確認
特に重要なのが酸価の監視です。酸価が基準値(一般に0.5〜1.0 mgKOH/g以上)を超えたら、ろ過だけでは対応できず、新油への交換が必要になります。
油質分析は、専門の分析機関に依頼するのが一般的です。費用は1検体あたり1〜3万円程度ですが、機械トラブルによる損失を考えれば、十分に元が取れる投資と言えます。
「ろ過しているから大丈夫」と過信せず、データに基づいた管理をすることが、安全な再利用の鍵です。
5-3. 再利用と新油の併用がベストプラクティス
潤滑油管理のベストプラクティスは、100%再利用ではなく、再利用と新油補充の併用です。
推奨される運用方法:
- 基本は再利用:ろ過により清浄度を維持
- 定期的な新油補充:全体の10〜20%を新油で置き換え
- 油質分析に基づく判断:酸価や添加剤濃度が低下したら新油交換
この方式により、以下のメリットが得られます:
- 添加剤の補充効果
- 酸化度の希釈効果
- 粘度の調整効果
- 長期的な油質安定性の確保
たとえば、年4回の交換サイクルで、3回をろ過再利用、1回を新油交換にする――こうした柔軟な運用が、コストと品質のバランスを取る賢い選択です。
また、2026年4月のような供給危機時には、再利用の比率を高めて急場をしのぎ、供給が安定したら新油補充の比率を戻すという臨機応変な対応も有効です。
6. 「工場を止めない」ための今すぐできるアクション
ここまで読んでいただいて、「じゃあ具体的に何から始めればいいのか?」と思われた方も多いでしょう。
ここでは、今すぐ実行できるアクションプランをご紹介します。
6-1. 現在使用中の潤滑油の在庫量を把握する
まず最初にすべきは、自社の潤滑油在庫の棚卸しです。
チェックすべき項目:
- 在庫量:各種潤滑油の現在の在庫数量(ドラム缶何本分か)
- 使用ペース:月間・年間の消費量
- 枯渇時期の予測:現在の在庫で何ヶ月持つか
- 発注済み分:既に発注しているが未着の分の把握
- 代替可能性:異なる銘柄での代替可否
2026年4月現在、大手メーカーの出荷停止により、発注済みでも納品されない事態が発生しています。そのため、「発注したから大丈夫」ではなく、実在庫ベースでの管理が不可欠です。
また、使用中の機械に入っている潤滑油(タンク内の油)も資源です。これを「廃棄するもの」ではなく「再利用できる資産」として認識することが、発想の転換になります。
在庫状況を可視化することで、「あと○ヶ月で枯渇する」というタイムリミットが明確になり、具体的な対策の緊急度が分かります。
6-2. 浄油サービス導入の検討と見積もり取得
在庫状況が把握できたら、次は浄油サービス提供業者への問い合わせです。
問い合わせ時に伝えるべき情報:
- 使用している潤滑油の種類と銘柄
- 年間使用量(または月間使用量)
- 機械の種類と台数
- 現在の油質状態(分かる範囲で)
- 導入希望時期
複数の業者から見積もりを取得し、以下の点を比較しましょう:
- 処理費用(従量課金制か定額制か)
- 対応可能な油種(すべての油に対応できるか)
- 納期・レスポンス速度(緊急対応可能か)
- 実績(同業種での導入事例があるか)
- 付帯サービス(油質分析も提供しているか)
特に2026年4月のような緊急事態では、レスポンスの速さが重要です。問い合わせから実際の処理開始まで何日かかるのか、必ず確認しましょう。
また、トリプルアールのろ過フィルターを使用しているかどうかも、品質判断の一つの目安になります。
6-3. 複数の供給ルート確保でリスク分散を図る
浄油サービスの導入と並行して、潤滑油の供給ルートの多様化も検討すべきです。
リスク分散の具体策:
- 複数メーカーとの取引:ENEOSだけでなく、他メーカーとも関係構築
- 海外メーカーの検討:中東以外の地域から調達できる製品の探索
- 二次流通市場の活用:LubRec(ルブレック)などの潤滑油二次流通プラットフォーム
- 代替品の事前検証:異なる銘柄でも使用可能か事前にテスト
- 備蓄の積み増し:JR東日本と同様に、在庫バッファを厚くする
工業用潤滑油の二次流通市場を創造する「LubRec(ルブレック)」のようなサービスも登場しています。これは、余剰油を持つ企業と必要とする企業をマッチングするプラットフォームで、廃油処理コストの削減と調達先の多様化を同時に実現できます。
「一つの供給元に依存しない」という調達戦略は、今回のホルムズ海峡封鎖で痛感させられた教訓と言えるでしょう。
また、業界団体や同業他社との情報交換も有効です。「どこのメーカーが在庫を持っているか」「どの浄油サービスが評判良いか」といった情報は、非常時には貴重な資産になります。
7. まとめ:潤滑油の再利用で国内製造業を守る選択を
2026年4月現在、ホルムズ海峡封鎖による潤滑油供給危機は、日本の製造業に深刻な打撃を与えています。
ENEOSやコスモ石油などの大手メーカーによる出荷停止は、「工場が止まる」という現実的な脅威を突きつけています。
この記事の重要ポイント3つをおさらいしましょう:
①潤滑油の再利用(浄油サービス)は、供給危機を乗り越える有力な選択肢
ろ過フィルターを使って夾雑物と水分を除去することで、使用済み潤滑油を代替油として再利用できます。トリプルアールなどの高精度フィルターを活用すれば、新油に近い清浄度を維持しながら操業を継続できます。
②コスト削減と事業継続性の両立が可能
浄油サービスの導入により、新規調達コストを30〜50%削減できるだけでなく、供給途絶リスクへの備えにもなります。廃油処理費の削減と環境負荷低減という副次的メリットも見逃せません。
③酸化度や動粘度は改善できないため、油質分析と新油併用が必須
ろ過では物理的な不純物は除去できますが、化学的な劣化は改善できません。定期的な油質分析を行い、再利用と新油補充を組み合わせたベストプラクティスで運用することが安全な再利用の鍵です。
いますぐ始めるべきアクション:
- 自社の潤滑油在庫量と枯渇時期を把握する
- 浄油サービス提供業者に問い合わせ・見積もりを取得する
- 複数の供給ルートを確保してリスク分散を図る
「潤滑油がないから工場を止める」ではなく、「手元にある資源を最大限活かして操業を続ける」――この発想の転換が、いま日本の製造業に求められているのではないでしょうか。
第三次オイルショックとも呼べる今この瞬間こそ、潤滑油の再利用・代替という選択で、国内産業を止めない決断をする時です。
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